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音楽は演者と聴衆がいて成り立つ(大曽根和輝)

こんにちは!今回のブログは大曽根和輝が担当します。
このブログのタイトルの「音楽は演者と聴衆がいて成り立つ」は私が学生時代に作曲の先生から何度も言われたことです。演奏を聞いている人が音を感受し新しい体験をするところまでが音楽である。という意味であると仰っていました。

思い出すきっかけとなったのは鼓和の先日の本番で、新型コロナウイルスの影響で様々なイベントが中止になり約7ヶ月ぶりに人の前での演奏を行いました。ライブならではの失敗の許されない緊張感、体内の血流の速くなっていく感覚、客席からの拍手反応、どれも普段は当たり前であったことがとても新鮮に感じ、「人に聞いてもらえる見てもらえること」がどれだけ特別なことかを改めて実感しました。

昨今の新型コロナウイルスの影響で人と人とが接触するようなイベントはかなり数を減らし、友人の演奏家の方々もリモートでのレッスンや動画投稿サイトを駆使した演奏の披露など活動の場所をwed上に移行している方が多く見受けられ、ずっとレンズやマイクに向かってひたすら演奏しているので拍手をもらう感覚を忘れてしまっているという話題をよく耳にします。収束へ向かうかはわかりませんが、また以前のように自由に演奏できるような生活に戻ることができたらいろんなことがしたいと企画だけ貯まっていくことはちょっと嬉しいことでもあります。

私は自身が演奏している傍ら子供たちに楽器を教える立場でもありますが、今年度のコンクールやコンテストは軒並み中止になり管楽器は飛沫が飛んでしまうのでかなり活動の幅を狭められているという話を聞きます。コンクールやコンテストは評価され賞がつく競技のような部分もありますが、普段はとても演奏できないような大きな会場でたくさんの聴衆の前で演奏することができる貴重なイベントであると考えます。いつもはコンクールで日本全国同じ目標に向かっていましたが、今年は学校ごと団体ごとに各々できることを活かした活動をしていることを見ると賞や評価ではなく純粋に聴衆を意識した活動ができているのではと考えさせられます。

ICTの発達で様々なことが便利になり遠隔で情報を得られる時代ですが、早くライブで聞きたい見たいと願うことは私たちがリアルで人と人が考えや感情を共有することを本能的に求めているのではないかと考えます。1964年に開催されたオリンピックからスポーツを遠隔で観戦することは約50年間私たちの生活の一部です。今でもサッカーや野球の試合のチケットが完売するということはリモートでは感じとれないものがライブにはあると思います。この先、今までと全く同じというのは難しいですが1回1回の音を出す音を聞く機会を大切にしていこうと改めて感じさせられました。

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